●ひこね第九オーケストラ練習の記録
新通先生 11月8日
●第九4楽章
(4楽章冒頭)
冒頭のティンパニ、たたきすぎない。音の変わり目をはっきり。
冒頭のつぶれた和音、シ♭とシがぶつかって感じが出て欲しい。みんながうおさおをしている感じが欲しい。あまり力んだ感じは欲しくない。
15,16はテンポ、あまりおそくしない。次につながるように。
24,25はおそくしない。インテンポ。
29もおそくしない。
あんまりつっぱった感じでなくて、もう少し言葉をしゃべっている感じでもいい。
92からの喜びの歌は、最初遅く始まってだんだん速くなるのではなくて、最初からクライマックスのテンポ。
92からのCbで、4小節目と8小節目のタァーンティティのリズムを正確にやろう。
VcとCbは103のcrescのあと104が少し前にいきすぎる。前に行くのだけれど粋すぎないよう注意。
92からはVcは基本的にCbに乗っかって弾く。
Vcは2小節目のFisの音はCbによせよう。レミファソラの音の幅を気をつけよう。毎回出てくるので。
ミーファレ ミーファソファレ ミーファソファレ・・・とミの音がいつも軸になるので、ミの音を気をつけよう。
92からは、厳かに始まるのもあるが、今回は、朗らかに始まろう。61から62はテンポですぐに始まりたい。今回は、間を開けずに待たないでつないでやりたい。
今まで探していた歌がやっと見つかった。だからすぐに朗らかに始めたい。
遅いテンポのイメージがあるのでだんだんテンポが緩みがちだが、遅くならない。歌っている感じと同じ感じがいい。同じ気持ちになって演奏して欲しい。
4楽章は必ず男性が歌ってから、女性がまねするようになっている。女性の母の愛、暖かい愛が、毎回後にくる。そしてドレミの歌のように先生がいて、必ず生徒がまねするようにできている。ソロが歌って、合唱が歌う。ソロが歌って、合唱が歌う。
ふつうのフーガだったら、高い音から始まることが多いが、冒頭の92からの喜びの歌もまずリーダーとしてCbとVcから始まることが神秘的。
だから、冒頭のCbとVcメロディは先生なので、朗らかに始まって欲しい。
116でヴィオラが入ったところで、お客さんはぐっと引き込まれる。
ヴィオラの音色が最初から歌の音色がいい。楽器の究極の目標は歌うように弾くこと。カンタービレで弾いて欲しい。ビブラートもしてもいい。弓元も弓先も音に魅力を失わない。
タァーンティティのリズムを正確にやろう。
116からのFgはとても素敵な裏メロディだよね。特に1stFgのメロディが有名でみんあ知っているけれど2ndFgもここは入っている。
Fgは、VlaとVcのメロディのテンポの中にはまって欲しい。のびないように気をつけて。
116まではCbとVcはユニゾンで同じメロディを弾いているが、116からは、Vcだけが1オクターブ上がってメロディに行くが、Vcが抜けた後を2ndFgが埋めるように飛び込んでくるように書かれている。2ndFgはとても大事。Cbと一緒になってください。
ベートヴェンはVcがメロディを弾くとき必ずVlaを一緒に弾かせている。例えば運命の2楽章。またVlaがメロディを弾くときも必ずVcをいっしょに参加させている。これは、9つの交響曲でも例外はない。必ずカップルにしている。だから116からVcを1オクターブあげてVlaに近づけた。
Vlaはすごくいい音がする楽器なので、Vlaのいい生音をもっと聞いてください。非常にいい複雑な音色がするんだ。
チェルビダッケが日本に来て東京芸大で講義をしたときに未完成をしたら、チューニングだけで40分かかった。まずソレラミの調弦、次にドソレラの調弦した。そうすると本来はVlaとVcの間にもう一つVnの一オクターブ下のバリトンというような楽器があったはずだが、歴史から消えてしまっている。その楽器の音までVlaとVcはカバーしなくてはいけない。
Aから1stVnのメロディはdolceでサラサラ。pは音の大きさでなく、音のやわらかさ。
Aの4小節目と7小節目にCbと2ndVnと2ndFgが8分音符で動くが、ここは一体に鳴った方がいい。縦の線をあわせるよう気をつけましょう。
Aの2小節目のVcのティータタのリズムが歌いすぎてのびて遅くなっている。正確に。
Bはfひとつ。ここで絶叫しやすいので注意。ここは明るく明るく聞こえればいい。アクセル全開はまだ先。音が荒々しくならないように注意。やわらかい感じ。
203のpoco ritenenteに入るところは、開けない。
201は突っ走らないことが、203にうまくはいるこつ。
201のsfは弦楽器、音をつぶさないように気をつけよう。
・・poco adagioは、アラルガンドのように感じ。・・poco ritのような感じ
203からすこしづつゆっくりになりましょう。
205にcrescが木管楽器に書いてあるので、書いているとおりやってみましょう。
205のVcが入ってきて2拍目の裏の8分音符のタイミングをそろえましょう。
203からVlaはpなので、注意。
202はVcとCbは最後まで大きく弾こう。
206のTempo Iは、元のテンポに戻るだけで、速くなりすぎない。208からのPrestoとテンポを使い分けよう。
208の3拍目からの音は、管楽器できるだけクラッシュしたような音。タァーンと音がやせなくてでなくて、ティーイィンとクラッシュしたような感じあってから飛び出して欲しい。
「おおともよ、この響きではない。」ここはベートーヴェンが書いた歌詞。
221からの弦楽器は「えぇ、なんで なんで」という合唱団のようなつもりで弾く。
内声がどのように動いているか聞こえるように注意。
222のVlaのH(シ)はもう少し明るくとって。
221からテンポは、少し前に行ってからゆっくり。
221からチェロは大きく弾きすぎないで、他の楽器はチェロにテンポを合わせる。
234の2拍目、3拍目は遅くしないようにしましょう。pはもう少し準備した音に。
236の3拍目の4分音符あまりと短くならない、ティンと弾ききるだけ。
234のp、sfと236のfは、弾き方を区別して。ここは指揮者よりコンミスを見て!
237にはいるところも、休みなしですぐに入りましょう。
237、木管、1拍目と2拍目からとアーティキレーションがちがっているけれど、1拍目は短く吹かない。ティッ ティラリ・・でなくて、ティンティラリ・・にdolceで演奏してください。
241からOb、長い音の時にちょっとのびるね、テンポで。
ティン ティタン ティタン・・アーティキレーションに気をつけて。
Dから合唱と重なっているところと、264からのオケだけになるところと区別しよう。この伴奏のところと主張するところと弾き分けよう。合唱あわせの時に切り替えてください。
Dから2小節毎に歌詞の内容が違う。
ろうろうと歌う1、2小節と少し雰囲気を変えた3,4小節とでは、歌い方の色を変えたい。また5,6小節目からは、ろうろうと歌う感じに戻す。1っ本調子のお経のようにはしたくない。合唱が歌っているのと同じような雰囲気でオケも弾いて欲しい。
Dの4小節目の点が打ってある4分音符は、短く弾けという意味ではない。この3つの音はバスらしい音。この3つの音だけでも和音が浮かぶようなメロディだね。ここを目立たせて欲しいという意味。ここをレガートにしないでくださいという意味。
古い時代の楽譜のように演奏家がかってにスラーをつけて、アーティキレーションを変えないでという意味での点。だからこの3つの音は、切ってあまり弾まないで。
282のVcとHrは、diminの位置をもう一回確認して正確、明快に目立たせて、ここは、歌詞は、nie gekonntという歌詞に乗せてcrescをちゃんとしてからdiminしてください。
Eからの弦楽器の8分音符の動きは、冒頭92からのVcとCbのように朗らかな感じで音を処理してください。軽やかに。
EからObのメロディも軽やかに
Dからは合唱団ソプラノが歌わない。269からのソリストも最初4小節はソプラノは休ませて歌っていない。ここはベートヴェンの整合性がある。
269からVcはAセブンスという和音を感じながら弾きましょう。
289〜290のcresc diminは、合唱の歌詞のnie gekonnt合わせて明確に正確に弾きましょう。
291からどのパートもp ずっとp
Fはバッハみたいところで、歌詞もまじめな歌詞がついている。
・・・天使ケルビーノが門の前に立っているので、私たちはいけない。そこで雷(16分音符)が鳴って、「神様の前に!」と歌って、ラドミに和音から3度下の宇宙の転調ファラドの和音に変わる。和声が変わったのがわかるように弾いてください。
293からの木管楽器はメロディなので、pだけれどmpぐらいで吹いてください。
ティンパニ329の16分音符の最後の少し遅くなっていいです。
321 点が打ってある2分音符、ben marcato 長さは付点4分音符ぐらいの長さでOK、間が少しあくぐらい。
326,328の16分音符は、雷が鳴っているぐらいに激しく。はっきり欲しい。
331からのFgは遠くから聞こえてくるように。
339からClは倍音で加わってくるので、自然な感じで。Hrも同様な感じで。
ベートヴェンはここのConFgはスコアに書いていなくって、パート譜を継ぎ足した。
そこにFgの1オクターブ下と書いてあるので、そのように書かれているが、当時の楽器はそんなに低い音は出なかった。前のブライトコップフ版は、1オクターブあげていた。
だから1オクターブあげて吹いてもいいですよ。と伝えてください。
新通先生 11月8日 4楽章2
331から6/8の雰囲気が出て欲しい。ここはピッコロのリズムが難しい。
331からのFgは、ホールがかすかに振動する程度。
Hの1小節前の弦楽器pp厳守。大きすぎないようにしよう。
399 打楽器 cresc pocoと書いて、徐々にクレッシェンド。この2カ所は聞こえてきた方がいい。
411 打楽器 piufの4小節前からクレッシェンド記号を書いてめだつように。
429からKまで 打楽器クレッシェンドを書いておいて。
Kの前のピッコロは、シシドレドシシ ファファと上がっていくところは力まないままの音でずっと終わってください。そうするとうまくいくよ。
Kは弦楽器難しいので、また別の日にやろう。
525からのHr、リズムを体の中に入れておいて。529,535,541のppが毎回大きい。4小節+2小節の後半の2小節の頭のppが大きい。後半の2小節は強くやらないでください。前半の4小節は聞こえていいので。
弦と木管、529の1回目は少し大きく,535の2度目は小さく,541の3回目は、アクセルを踏む感じでクレッシェンドして。
M 合唱団はのびるくせがあるので、注意。ここは331と同じような雰囲気でやりたい。Mだけおそくなるのはおかしい。Kもここと同じ早さ。
M 弦はアクセル感をもってやろう。
M 木管楽器は、合唱団のためにポン ポン ポン ポン少し跳ねた感じで。
594の終わりは、ホールに音を飛ばそう!
Andante maestoso のVc,CbとTbは、歌うように、区切りのところのブレス(呼吸)を深くとってください。吐きながらきちんと音楽をやりましょう。BassTbは、ここは力まなくても十分聞こえるところ。fを柔らかく出しましょう。VcはCbに乗りましょう。
602からの1stVnと2ndVnは今日は大きめに弾いてください。ターリラ・・のメロディが合唱のメロディと溶けるのが、ここのうまみ。リズムを少し聞かせてください。
603の女声合唱が入ってきたfは一つ。逆にffよりもエスプレッションが増す。f1つのがならないところの方が、表情がお客に伝わる。
ここのトロンボーン3本になったときに宗教的になるように、音色に気をつけて。
627からは少し宗教的。ここはテンポを探らずにやりたい。Vlaと2ndClが入るところで、なんとなくテンポを探り合いみたいな感じになりがちなので、注意。
631 Vla、Vc、Clのクレッシェンドは2拍目の頭が強さの頂点になるようにしましょう。そのあとのディミネンドは、丁寧に書けないとスビトpに聞こえるので注意。デミネンドは、大根型にかけてください。
634の3拍目のppはスーパーppで、小さく。ここは○をしておいて。ここはフライングの芸術。ベートヴェンは大事な音は長く書く。ここが合唱の前出しの部分。
637の3拍目のffは、少しはっきり入ろう。
647からの弦楽器、ここはリズムか聞こえた方がいい。少しすき間があくぐらい、弓の返しをちゃんと返す。
650から弦楽器はトレモロにならないように。管の3連譜にまどわされないように。
655からの2重フーガは、きがく的にやってください。カンタービレなどにはしない。弦楽器の8分音符の流れは、それを支えなくてはいけないので、よりがっちりときがく的に。付点2分音符=84のテンポで行きます。
Tbは楽譜通りで、上に上げなくて結構です。
表拍の感じ方が、裏拍を2拍感じて、戻ってくるようなリズム感を持って。
木管は、ターンタ ティーティ ティーティ・・と軽さがほしい。
RからClとFgはソフトで、跳ねすぎない感じに。きつくならない。ミステリオーソに。
タンキングが タッタッタッタッタッ という感じより、デュデュデュデュデュという感じがいい。
木管は4分休符で止まらずに、一小節づつキャリーしていきたい。はこんで行きたい。
Rから弦は、4分音符と2分音符の長さをはっきりかえてください。2つの音符の長さをはっきり変えている感じが欲しいです。弓先の感じでやりましょう。
4分音符が重い感じならないように。
745 歌詞がBruderが兄弟になる。歌詞と同じように456の2拍目の音、木管を軽くして。弦も757の2拍目の音軽くして、抜いてください。音量が小さくなりすぎるとおかしいので、少しだけ抜いている感じが欲しい。Bruderの言葉の発音の感じが欲しい。
759のティンパニはp、760はpiu p(弱さをさらにという意味)、761はppp。めちゃくちゃ小さく演奏して欲しいということ。ベートーヴェンがfffやpppのように3つ書くことは非常に珍しい、すべての曲を見渡しても数カ所しかない。本当に小さくして欲しいということ。
例えば、mf、piu p、mpと書いてあれば、音の大きさは?真ん中が小さくなる?正解は、だんだん小さくなる。piu pはさらに弱くという意味だから。
p、piu p・・・・pp の・・・は徐々にという意味。
Vlaの758のcis → cは、ちいさくから始めてください。このcis はあらかさまに大きく弾かないで。
763からはそんなに速くない。Allegro ma non tantoを守りたい。しかけは、810や832のpocp adagioを2倍のテンポでやりたい。2拍子が、4拍子になるだけにしたい。
だから763からはそんなに速くしない。
763から弦楽器は、音をぶつけて始まらない。そっと始めてください。明るく。
763から木管はここを完璧に吹こうとすればするほどやまかしくなるので、気をつけて。
木管の768のCl、770のFl、771のObのタァーラリラランのリズムむずかしい。うまくリズムに乗っけるのが本当に難しいので、ちゃんとさらっておいて。タァーラリラランの最後のランは大きくならない。押さない。まんなかを大きくして納める感じ。
763の2拍目からの2ndVn,Vlaは、追いかけっこという感じが欲しい。
767からVlaが8分音符で刻んでいるので、休んでいる人しっかり聞いて。Vlaもう少し大きく弾こう。
805と826のcresc 、TpとTimはしっかりcrescしてください。
Sから木管楽器も弦楽器もpを書き加えてください。Arcoになったとたんに音量が大きくなる。ここは音量を落としてください。
843からあまり遅く始めない。最初4小節はクレッシェンドがないことを再確認しよう。
847からのクレッシェンドと一緒に速くなってください。
843からイメージとして、心の中で小さな円を書いてダンダン転がって速くしていくという感じが欲しい。
849から木管と金管が入ってくるところは、弦楽器の大きさに合わせて入ってきて。
突然大きくならない。
916のMaestosoはベートヴェンが書きたかったのは、prestとprestissimoの間のちょっとした憩い。
917からの弦楽器、弓あまり跳ねない方がいい。長めの点々かな。
918から点がないのは省略。弾いてはっきり。豪快に。
ここは神様の前に立つというところ。今までは、後ろを振り向いていたが、ここはもう後ろを振り向かない。門が開いて、いよいよなだれ込むという場面を作りたい。
ここは、後ろを振り向かないが一瞬憩いを持つところ。
最近ここの楽園から乙女は、実は天使ケルビムだと思うようになった。
916から木管、歌詞のelysiumのところpドルチェはできるようにしよう。
917のHrのcrescはテンポを引きずらすに。音をためすぎない。
917のFlの舌付きは、弦の感じに合わせてください。
そして門が開いて光が差してくるところでドラマは終わり!
ここの最後のprestissimoのところ、いつもブラームスの交響曲第2番の最後を思い出す。ブラームスはここをまねしたのだと思う。
終わりはアッチェルランドしすぎない。ふつうに終わってください。
終わりはラとレで終わる。
最後はティンパニが半分主役なので、決めて下さい。たたきすぎないで、リズムの輪郭をはっきり。木管の6連符はこれにしっかり乗る。